「熱くて寝苦しい」「エアコンをつけて寝るのは大丈夫なの?」このような悩みや疑問を抱く人は多く見受けられます。
本記事では、快眠できる環境を整えるエアコンの使い方について紹介します。
エアコンをつけて寝るときのポイントを季節ごとに紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
エアコンをつけて寝るときの設定方法や、快眠するためのポイントも解説しています。
エアコンを上手に使って、睡眠の質を高めましょう。
エアコンをつけて寝るのは問題ない?
室内が暑かったり寒かったりすることで、寝つきが悪くなってしまう場合があります。
しかし、エアコンをつけて寝るのには抵抗があると感じている人も少なくないでしょう。
結論からいうと、エアコンをつけたまま寝ても問題ありません。
むしろ、快適な睡眠環境を整えるための大切なツールとなります。
正しいエアコンの使い方をすれば、体に良くない影響を及ぼすことなく快眠できます。
エアコンをつけて寝るほうがよい理由
エアコンをつけて寝るのは問題ないといわれても、どこか抵抗を感じる人もいるでしょう。
次にエアコンをつけて寝るほうがよい理由について解説します。
質の良い睡眠を確保するためには、室内の温度や湿度などの環境、そして体温を整えることが大切です。
熱中症を防ぐ
総務省消防庁が発表したデータでは、熱中症の約4割が室内で発症しているとされています。
室温が28℃以上になると、脱水症状や熱中症になる可能性が高くなるため注意が必要です。
昼間に強い日差しを浴び続けて熱くなった建物は、実は夜になっても熱を帯びたまま。
その状態で冷房を切ってしまうと、建物が蓄えていた熱により室内の温度はどんどん高くなってしまいます。
「外気温が下がり始めたから」「日も暮れているから」と油断してしまうと、熱中症を引き起こしかねません。
睡眠の質が高くなる
睡眠の質と、寝るときの体温は深くかかわっています。
体内の熱を上手に放出できないことは、夏の睡眠を妨げてしまう原因のひとつです。
眠くなると手足が温かくなることはありませんか?
それは深部体温を下げるために、手足から体の熱を放出しているからです。
深部体温が下がることで、寝つきやすくなります。
なお、エアコンが必要なのは夏だけではありません。
冬でも適した室温を保つことで、快眠できる環境を整えられます。
つけたままでも電気代の影響が少ない
電気代が気になるという理由から、エアコンをつけたまま寝ることに抵抗を感じる人もいるでしょう。
実はエアコンをつけたり消したりする場合と、つけたままの状態で寝る場合では電気代があまり変わりません。
エアコンの消費電力がもっとも大きくなるのは、室温を設定温度にするときです。
なお、電気代は「消費電力(KW)×1時間の電気代単価」で算出できます。
公益社団法人全国家庭用電気製品公正取引協議会が発表している2022年の電気代目安単価は31円です。
たとえば、最大消費電力0.92(KW)、定格消費電力0.5(KW)を基準に9時間つけて寝ることを想定した際、最初の1時間は最大消費電力だとしても電気代は約60.52円です。
つけっぱなしで室温が保たれていれば、最低消費電力に抑えられるため、さらに電気代は安くなるでしょう。
むしろ、エアコンをつけたり消したりすると最大消費電力を使う回数が増えるため、つけたまま寝る状態よりも電気代が高くなる場合もあります。
【夏の冷房】エアコンをつけて寝るときのポイントは?
快眠するための環境を整えるために、エアコンをつけて寝るときのポイントを紹介します。
天候に合わせてエアコンに備えられている機能を活用しながら、睡眠に最適な温度に調整する必要があります。
次に紹介するポイントを取り入れることで、暑苦しい夏も快適に寝られるでしょう。
設定は冷房にする
体を冷やしすぎることを心配して冷房ではなく、除湿設定する人もいるでしょう。
しかし、夏に快適な睡眠をとるためにおすすめなのは、冷房設定です。
除湿設定は湿度調整に特化している機能のため、室温を下げすぎてしまう場合があります。
なお、夏に冷房をつけたまま寝るときには、エアコンの温度設定を2段階で設定するのがおすすめです。
まず、寝る前に設定温度を25℃程度の低めに設定し、室温が下がったら設定温度を26~28℃にします。
この2段階設定を取り入れることで眠りにつきやすく、寝ている間も消費電力を抑えながら室温の上昇を防げます。
温度設定は26℃前後
寝るときの室温は、高すぎるのはもちろん、低すぎても眠りを妨げてしまいます。
夏に適しているエアコンの温度設定は、26〜28℃です。
なお、人によって快適と感じる温度は変わります。
快適温度が異なる人と同じ部屋で寝ていると、エアコンの設定温度で揉めてしまうこともあるでしょう。
この場合は、暑がりの人に合わせた設定温度にするのがおすすめです。
そして、寒がりの人は寝具や着ているものなどで調整しましょう。
梅雨時期は除湿
除湿設定は室温を下げすぎてしまうと先述しましたが、梅雨の時期はまた別です。
湿度が気になる梅雨時期や雨の日などは、除湿を使用するのがよいでしょう。
快眠できる環境を整えるためには、室内の温度調整だけではなく湿度も重要です。
湿度が高いままの状態で寝てしまうと寝汗をかいたときに乾きにくいため、寝苦しく感じてしまいます。
除湿設定をうまく利用し、室内の湿度を50〜60%にするのが望ましいです。
体に風があたらないようにする
エアコンをつけて寝るときには風向きにも注意が必要です。
暑さを感じているときには風に当たると、とても快適に感じます。
しかしそのままの状態で寝てしまうと、体を冷やしすぎてしまい体調を崩しかねません。
エアコンの風が体に当たらない状態にしてから寝るようにしましょう。
快眠モードを活用する
エアコンにはそれぞれ便利機能が搭載されており、名称はエアコンの種類によって変わりますが「快眠モード」や「おやすみモード」という機能があります。
快眠モードやおやすみモードは、睡眠をとりやすい室内の温度・湿度・風向きに調整してくれる機能です。
この機能を利用すれば、先にご紹介したポイントをすべておさえてくれるので、エアコンをつけて寝るときにはぜひ活用してみてください。
寝る30分前からエアコンをつけておく
建物は日中の日差しにより、夜まで熱が蓄えられている状態です。
涼しい部屋のほうが寝つきが良くなるため、遅くても寝る30分前までにはエアコンをつけて室内を冷やしておきましょう。
エアコンの風向きは上向きまたは平行にしておくと、効率的に温度を下げられます。
エアコンのつけ忘れを防ぐために、可能であればタイマーで時間指定しておくのもおすすめです。
扇風機を併用する
エアコンをつけて寝るときには扇風機を併用するのもおすすめです。
冷たい空気は下にたまります。
下に溜まった空気を扇風機で循環させれば、部屋全体を効率よく快適な温度にできるでしょう。
扇風機を使うことで室内に気流が生まれると、高めの温度設定でも涼しく感じられるというメリットもあります。
【冬の暖房】エアコンをつけて寝るときのポイントは?
次に、冬にエアコンをつけて寝るときのポイントを紹介します。
冬の快眠のポイントは、温度と湿度、そして室内が乾燥しすぎないように気をつけることです。
温度は20℃前後
快眠できるとされている温度設定は、18〜22℃です。
環境省では20℃前後を推奨しています。
室内が16℃以下になると、寒さで目が覚めやすくなります。
とはいえ、温度設定を高くしすぎないように気をつけましょう。
冬に使用する寝具や着る服は保温性に優れているものが多いため、温かくしすぎてしまうと汗をかいてしまい、睡眠の質の低下につながってしまいます。
湿度に気をつける
冬は乾燥しやすいため、エアコンをつけたまま寝るときには湿度にも気をつけましょう。
鼻や喉が乾燥してしまうと体調不良を引き起こしやすくなるだけではなく、睡眠の質の低下にもつながってしまいかねません。
快眠に最適な湿度は、40〜60%です。
加湿器を活用しながら、湿度を調整しましょう。
加湿器がない場合には、洗濯物の部屋干しなどでも湿度を保てます。
寝る30分前から部屋を暖める寝る前に室温を調整しておく
夏だけではなく、冬も室温を調整しましょう。
寝る30分前から室内を温めておくことで、眠りにつきやすくなります。
温かい部屋から寒い部屋に移動すると目が覚めてしまったり、ヒートショックの危険性が高まったりします。
寝る前に部屋を温めておくことは、睡眠の質を高めるだけではなく健康面から見ても大切なポイントです。
朝まで快眠するためのポイント
エアコンを上手に活用するだけではなく、日常生活においても快眠するためのポイントがあります。
寝る前までの行動ひとつでも、睡眠の質はあがります。
すっきり起きられないときや、ぐっすり眠れない日が続くときには次に紹介するポイントを取り入れてみましょう。
寝る前にストレッチ
眠りにつきやすくするために、ゆっくり深呼吸しながらストレッチする習慣をつけましょう。
汗をかくほどする必要はありません。
痛気持ちいいと感じる程度で体をほぐしていきます。
人間はアクティブに活動しているときには交感神経が、リラックスしているときには副交感神経の働きが優位になります。
寝る前にストレッチをすることで交感神経から副交感神経への切り替えができ、眠りにつく準備ができるでしょう。
入浴は寝る1時間30分前までに済ませる
入浴は寝る1時間30分〜2時間前までに済ませましょう。
入浴する際は38~40℃の温度で25~30分程度ゆっくりと浸かるのがおすすめです。
お湯の温度が高すぎたり入浴時間が長すぎたりすると、目が冴えてしまうため気をつけましょう。
入浴によって上昇した深部体温が下がったときが、眠くなるタイミングです。
このときに布団に入れば、眠りにつきやすくなります。
食事は寝る3時間前までに済ませる
入浴時間だけではなく、食事時間も質の良い睡眠をとるために大切なポイントです。
摂取した食べ物の消化時間は2〜3時間と言われています。
消化できていない状態で眠りにつくと、胃腸が活発に動いたままなので眠りの質が低くなってしまいます。
季節や体に合わせた寝具を使用する
質の良い睡眠を確保するために寝具選びにもこだわりましょう。
少しのストレスや違和感も眠りを妨げる原因です。
朝起きたときに疲れが取れなかったり、体が痛かったりするときには枕やマットレスを見直してみてください。
枕の高さは、仰向けになったときに首の角度が15度くらいになる高さが理想です。
マットレスは姿勢がS字カーブを保てるくらいのものがよいでしょう。
また、夏は冷感素材や吸湿性の高いもの、冬や羽毛布団など保温性の高いものがおすすめです。
運動する習慣を身につける
運動する習慣を身につけると、睡眠の質が良くなる効果が期待できます。
おすすめなのは、ウォーキングなどの有酸素運動です。
寝る3時間前くらいに軽い運動をすると寝つきが良くなります。
筋力トレーニングを含めた激しい運動は寝る前に行うと目が冴えてしまうため避けましょう。
規則正しい生活をする
規則正しい生活は、睡眠の質向上につながります。
起床時間をそろえること、できる限り3食同じ時間に食事をすることで体内の生活リズムが整います。
また、朝起きたら太陽の光を浴びるのもポイントです。
太陽の光を浴びることで、体内リズムをリセットできます。
夜ふかしや長時間の昼寝は体内リズムの乱れにつながってしまうため、注意が必要です。