エアコンの年間電気代はいくら?計算方法と節約のコツを紹介

エアコンの年間電気代はいくら?計算方法と節約のコツを紹介 エアコン

「夏はエアコンが必須だけど、電気代が気になってしまう」「節電してなるべくエアコンの電気代を抑えたい」これは誰もがもつ悩みといっても過言ではありません。
本記事では、エアコンに必要な電気代や計算方法を解説します。
また、上手なエアコンの節電方法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

年間電気代の計算方法は?

エアコンの年間電気代を計算する場合の計算式は、
年間の電気代の目安=消費電力量(期間合計(年間)・kWh × 電力料金目安単価(円/kWh)

となっています。
実際に例を挙げて計算してみましょう。

ダイキン・6畳用・スタンダードモデル・AN224AES-Wの場合

計算式は、
717(kWh)×31(円/kWh)=22,227(円)
となります。

期間消費電力量は、2013年の日本産業規格JIS C 9612を算出基準とし、以下の条件のもと運転したときの試算値です。

▼東京の外気温度にて試算

室内設定温度 冷房時27℃/暖房時20℃
期間 冷房期間(5月23日~10月4日)
暖房期間(11月8日~4月16日)
使用時間 6:00~24:00の18時間
住宅 JISC9612による平均的な木造住宅(南向き)
部屋の広さ 機種に見合った部屋の広さ

実際に使用する場合、お住まいの地域や気候条件など、使用条件が異なりますので、あくまでも目安として考えてください。
また、計算式に使っている電力料金目安単価は、令和4年7月22日に改定され、現在は31円/kWh(税込)です。
消費電力量については、エアコンのカタログなどに表記されています。
家電量販店などのプライスカードやカタログの表記によっては、「期間消費電力量○○kWh」と表記されていることも。
エアコンの機種によっても電気代は違います。
スタンダードモデルからフラッグシップモデルまで幅広いラインナップがあるので、年間電気代を計算して、機種を選ぶときの1つの基準にしてみてください。

1時間あたりの電気代の計算方法は?

もっと具体的に電気代を計算したい方は、1時間あたりの電気代を計算してみましょう。
エアコンの1時間あたりにおける電気代の計算式は、
1時間あたりの電気代=消費電力(kW)×電力料金単価目安単価(円)×1(時間)
となっています。
実際に例を挙げて計算してみましょう。

ダイキン・6畳用・スタンダードモデル・AN224AES-Wの場合

こちらのモデルは、冷房消費電力580W・暖房消費電力470W となっています。

  1. まずは計算しやすいように「W」の単位を「kW」に換算します。
    1000Wが1kWなので、580Wなら0.58kW、470Wなら0.47kWです。
  2. kWに換算できたらさっそく計算です。
    冷房時 0.58(kW)×31(円)×1(時間)=17.98円
    暖房時 0.47(kW)×31(円)×1(時間)=14.57円

あとはこれの応用で自由に計算が可能です。
8時間使った場合の電気代なら、(時間)のところを8にして計算すればいいですし、1日や1ヵ月にかかった目安の電気代の計算も可能です。

地域ごとにもう少し詳しく計算したい場合は?

エアコンの電気代は、地域によって変動します。
寒冷な地域なのか、温暖な地域なのかによってエアコンの運転状況が変わり、消費電力に違いが出るからです。
そんな時に参考になるのが、地域係数。
主な数値は以下のようになります。

  地域係数
東京 1.0
札幌 3.1
盛岡 2.4
秋田 2.0
仙台 1.6
新潟 1.5
前橋 1.3
松本 2.1
富山 1.4
静岡 0.9
名古屋 1.2
大阪 1.1
米子 1.3
広島 1.1
高松 1.1
高知 1.0
福岡 1.0
熊本 1.1
鹿児島 0.9
那覇 0.6

参考:エアコンを選ぶときには必ずチェック|統一省エネラベルを見てみよう!

計算した消費電力に各地域の数値をかけることで、地域別の消費電力をもう少し詳しく計算できます。

消費電力は東京での仕様をベースに算出されているので、東京にお住まいの方は ×1.0 で変動はなしです。

ダイキン・6畳用・スタンダードモデル・AN224AES-Wの場合

たとえば札幌にお住いの方なら、
717(kWh)×31(円/kWh)=22,227(円)
が年間電気代。
この結果に札幌の地域係数「3.1」をかけると
22,227円×3.1=68,903円
という計算になります。
寒暖差がある地域ほど地域係数は大きくなり、特に消費電力が大きくなる暖房が必要な寒い地域は数値差が大きくなっているのが特徴です。
ご自分の住んでいる地域も、ぜひ電気代計算とあわせて計算してみてください。 

エアコンの電気代を左右する要因

エアコンの電気代には地域差もあると先述しましたが、電気代を左右する要因は他にもあります。
ここでは、その他エアコンの電気代を左右する要因を2つご紹介します。

エアコンの性能によって電気代が変わる

エアコンはメーカーごとに4~7機種ほど販売しており、機種によって性能に差があります。
特に省エネ性をチェックする際に参考にしたいのが「APF」(通年エネルギー消費効率)です。
このAPFの数値が高いほど、省エネ性が高いエアコンとなります。
そのほかにも「省エネ基準 目標年度/達成率」の数値も電気代の比較がしやすいポイント。
カタログなどに省エネ基準達成率●%と表示されているので、エアコンを購入する際にはぜひチェックしてみてください。
また、エアコンによってセンサー機能やAIを活用した自動節電運転機能などもあります。
長時間運転する部屋や利用頻度が高い部屋などは、省エネ性能が高いエアコンを検討するのがおすすめです。

使用環境によっても電気代が変わる

エアコンの使用環境も電気代に影響します。

  • 木造か鉄筋かなど建物の種別
  • 部屋の畳数や広さ
  • 部屋の断熱性
  • 窓の数や大きさ、2重になっているか
  • 南や西向きなど部屋の向き

こういった要因によっても、エアコンの効きが左右されます。
設定温度に到達し、一定の室温を維持するのに対し、効きが悪いとエアコンに負担がかかるからです。
使用環境にあったエアコンを選ぶことで、電気代の節約につながります。
購入前には建物の構造や使用環境を把握しておきましょう。

エアコンの電気代を抑える7つのコツ

本当はエアコンを使いたいにも関わらず、電気代が気になって使用を控えている方も多いのではでしょうか。
ここでは、エアコンの電気代を抑える7つのコツをご紹介します。
上手な節電方法として、ぜひ参考にしてください。

適切な温度設定をする

設定温度を変更するだけでも節電効果があるとされています。
冷房時には設定温度を1℃上げる、暖房時には設定温度を1℃下げると、設定変更前より約10%の節電効果です。
設定温度については、環境省が冷房は28度、暖房は20℃を推奨しています。
ただし、快適に過ごせる設定温度は人によって異なります。
推奨設定温度はあくまでも目安として考え、快適に過ごせるかつ節電できる設定温度にするのがおすすめです。

風量は自動モードで運転する

風量は自動モードにするのがおすすめです。
自動モードにしておけば、部屋が冷えるまでは強風、その後は微風といった具合に、最適な風量で運転が可能だからです。
電気代を気にして、弱や微風にする方もいますが、風量が弱いままだと部屋が冷えるまでに時間がかかってしまい、結果的に余分な電気を使うことにつながるため注意しましょう。

フィルターの定期的なお手入れをする

エアコン内部のフィルターは、2週間に1回を目安にお手入れするのがおすすめです。
フィルターがホコリやゴミで目詰まりすると、吸い込む空気の量が低下します。
結果として運転効率が低下し、部屋を冷やす・暖めるのにより多くの電気が必要になってしまいます。
フィルターのお手入れは、水洗いまたは掃除機でホコリを吸い取りましょう。
フィルター掃除を定期的におこなえば、年間25%もの節電につながるとされています。

サーキュレーターを活用する

エアコンを利用する際には、温度ムラを解消するように空気を循環させるのが節電のコツです。
空気の動き方には、冷たい空気は天井の方へ、暖かい空気は床の方へ移動するという法則があり、部屋の中に上と下で温度のムラが発生してしまいます。
温度ムラができると、エアコンが「設定温度になっていない」と勘違いをし、必要以上に稼働する場合があるためです。
サーキュレーターもしくは扇風機を活用して室内の空気を循環させることで、温度ムラを解消できますし、温度が均一になり快適さにもつながります。

室外機の日よけ対策をしてみる

夏場、エアコンの室外機に直射日光が当たったり、設置場所が高温になったりすると冷却効率が低下します。
日よけシートやよしずをたてかけるなど、直射日光が当たらないような対策がおすすめです。
また、購入前であればなるべく日陰に設置するのも有効です。
ただし、日よけを用意するなら、室外機の吹き出し口をふさがないように注意しましょう。
室外機の吹き出し口をふさぐと排熱が上手くいかず、運転効率の低下につながるため十分なスペースを確保してください。

部屋の断熱・遮熱対策をする

冷房や暖房運転時の効きをよくするなら、部屋の断熱・遮熱対策が有効です。
特に、窓は冷気や熱気の影響を受けやすい場所。
カーテンやブラインドなどを使って直射日光やすきま風を防げば、冷房や暖房の効果を高められます。
市販の断熱シートを貼るのもおすすめです。
また、冬場は床に断熱マットやカーペットを敷くことで、冷気を遮断しやすくなり暖房の効きがよくなります。

使用環境に合った性能のエアコンを選ぶ

これからエアコンを購入するなら、使用環境にあった性能のエアコンを選びましょう。
たとえば「20年前の木造20畳の部屋に、14畳用のエアコンを設置する」といった選び方をしてしまうと、エアコンの効きが悪くなり、電気代もかかりやすくなります。
建物の建築様式や年式、設置する部屋の畳数など、使用環境を考慮してエアコンを選ぶのが重要です。

エアコンの電気代に関するよくある質問

最後に、エアコンの電気代に関するよくある質問を3つご紹介します。
節電につながる内容もあるので、ぜひ読んでみてください。

エアコンはつけっぱなしでも大丈夫?

一般的には、30分以外の短い外出などであれば、つけっぱなしの方が電気代は抑えられるといわれています。
エアコンは、設定温度に到達したあと、その設定温度を維持する方が、こまめにスイッチの入切をするより少ない消費電力で済むからです。
短い時間の外出や、部屋が涼しくなったら1度エアコンを停止するなど、こまめにON・OFFを繰り返すと、かえって電気代がかかってしまう場合があります。

エアコンの冷房と除湿はどちらが省エネ?

エアコンの冷房と除湿、消費電力はほぼ変わりません。
多くのエアコンの除湿(ドライモード)では、弱冷房運転を使っているからです。
もちろん、冷房は温度を下げ、除湿は湿度を下げるのが目的のため、使用状況によって電気代は異なります。
ただし、お使いのエアコンの除湿運転が「再熱除湿方式」の場合は、冷房より電気代が高いです。
再熱除湿方式は、温度を下げて除湿した空気を、暖めなおして室内へと吹き出すためです。
エアコンの除湿方式によって、電気代に差が生じると覚えておきましょう。

100Vと200Vの機種はどちらの方が電気代が安い?

エアコンによっては、100Vタイプと200Vタイプがあります。
消費電力が同じなら、電気代は同じため、どちらの方が安いということはありません。
対応畳数が同じエアコンであれば、一般的に200Vタイプの方がパワーは強力です。
そのため、より早く冷暖房が可能で設定温度への到達も早いので、電気代が安くなる場合があります。
ただし、同じ畳数のエアコンで、性能が異なる場合は、消費電力が低い機種の方が電気代は安くなる場合も。
また、100Vと200Vではコンセントの形状なども異なるため、設置の前には必ず確認しておきましょう。

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