エアコンを利用するときは、季節に合った最適温度を設定しましょう。
ただし、必ずしも最適温度に設定しなければいけないわけではなく、年齢や性別によって異なる体感温度に合わせることも大切です。
そこで本記事では、エアコンの最適温度をはじめ、最適温度に設定するメリットをご紹介します。
そのほか、室内の温度を快適に保つためのポイントもお伝えするので、設定温度に気をつけるとともにぜひ参考にしてください。
エアコンの最適温度はどれくらい?
ここでは、エアコンの最適温度を夏と冬の場合に分けてご紹介します。
夏は28度
夏のエアコンの最適温度は、28度といわれています。
エアコンの設定温度を28度にするのではなく、室内の温度を28度にすると快適に過ごせるという目安です。
なお、家の構造や室外の温度、エアコンのつけはじめの室内温度によって最適な設定温度は異なるので、あくまでも目安としてください。
冬は20度
冬のエアコンの最適温度は、20度といわれています。
夏の場合と同じく、室内温度を20度にすると快適に過ごせるという目安であり、つけはじめの室内温度に合わせて調節するとi
いでしょう。
また、冬は設定温度が低すぎると低体温症などで体に負担がかかってしまうので、年齢や体感温度などに合わせて設定温度を調節するのがポイントです。
性別や年齢によって体感温度が異なるって本当?
ここでは、体感温度の違いについて、性別や年齢、人とペットに分けて解説します。
性別による体感温度の違い
男性と女性とでは、体感温度が3度〜5度ほどの差があるといわれています。
女性は男性と比べると筋肉量が少ないだけではなく、皮下脂肪の量が多いことから寒く感じやすいからです。
よって、男性と女性で同じ部屋で過ごす場合は、服装や布団、冷感アイテムなどで体温調節を行うことがポイントです。
年齢による体感温度の違い
赤ちゃんや幼児は体感温度が高く、高齢の方は体感温度が低くなる傾向にあります。
赤ちゃんや幼児は皮膚で温度を感じやすいですが、大人よりも体温調節が未熟です。
一方、歳をとると皮膚で温度を感じにくくなるため、高齢の方は知らないうちに熱中症や低体温症になってしまったというケースがあります。
そのため、小さいお子さんや高齢の方がいる場合は、屋外との気温差が大きくすぎる温度や、最適温度から大きく外れた温度に設定するのは避けるといいでしょう。
人とペットの体感温度の違い
人と動物では最適温度が異なるので、ペットが留守番をするときのエアコンの設定温度は必要に応じて変えてあげましょう。
犬は毛量によって体感温度が異なるため、ダブルコートとシングルコートの最適温度を確認しておきましょう。
ダブルコート | 夏:23度〜26度、冬:19度〜23度 |
シングルコート | 夏:22度〜25度、冬:20度〜25度 |
また、ペットがより快適に過ごせるように、ペット用の暑さ・寒さ対策グッズを用意しておくといいでしょう。
エアコンを最適温度に設定するメリット
ここでは、エアコンを最適温度に設定するメリットを2つご紹介します。
電気代を節約できる
エアコンを最適温度に設定すると、消費電力を抑えられ、電気代を節約できる可能性があるでしょう。
夏はエアコンの設定温度を1度上げると消費電力が13%削減でき、冬は設定温度を1度下げると消費電力を10%削減できるといわれています。
最適温度に設定することで、設定温度を高過ぎず低過ぎない温度に保てるので、無駄な消費電力が発生しにくいです。
また、最適温度に設定しても暑さや寒さを感じる場合は、厚着や薄着をするなどで調節すると、設定温度を変えずに最適に過ごせるでしょう。
地球温暖化対策につながる
エアコンの設定温度を最適温度にすることは、二酸化炭素の発生を抑えられるので、地球温暖化対策にもなります。
エアコンを最適温度にして服装で体温を調節することは、クールビズやウォームビズとも呼ばれており、地球温暖化対策のひとつです。
室内温度を快適に保つためのポイント
エアコンを最適温度に設定しても、暑さや寒さを感じる場合があります。
ここでは、室内温度を快適に保つためのポイントを8つご紹介します。
サーキュレーターを併用する
エアコンとサーキュレーターを同時に使用することで、部屋の空気を循環させて、冷房・暖房の効率を上げられるでしょう。
サーキュレーターを使用するときは、上向きにするとより空気を循環しやすくできます。
サーキュレーターがないときは、扇風機を併用することもおすすめです。
また、冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりやすく、場合に応じてエアコンの風向きを変えてみるといいでしょう。
冷房をつけているときは上向きに、暖房をつけているときは下向きにするのがポイントです。
エアコンのフィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターに汚れやほこりが溜まっていると、最適温度に設定しても、冷暖房の効率が悪くなかなか設定温度にならないケースがあります。
そのため、エアコンの使用頻度が多くなる夏や冬になる前に、フィルターを掃除しておきましょう。
また、エアコンの使用頻度が多い時期でも、2週間に1回ほどのペースでこまめに掃除するといいでしょう。
フィルターの目詰まりを未然に防ぐと、冷暖房の効率が悪くなったことによる無駄な電力の消費を抑えられます。
フィルターを定期的に掃除しておくと、冷房の場合4%ほど、暖房の場合6%ほどの消費電力を削減できるといわれています。
自動運転を活用する
エアコンの自動運転は、部屋が設定温度になるように、風量調節をしながら自動で運転するものです。
部屋の温度を快適にする役割があり、フルパワーで部屋の温度を上げたり下げたりする時間を最小限に抑えられる点が魅力です。
自動運転を活用することで、部屋を快適な温度にするだけではなく、電気代削減にもつながるでしょう。
除湿機や加湿器を併用する
快適に過ごせる部屋にするには、温度設定のほかに、湿度にも着目することがポイントです。
人が快適に過ごせる湿度は50%ほどといわれており、湿度を調節するために除湿機や加湿器を活用するといいでしょう。
夏は、湿度が高く蒸し暑い時期ので、除湿機を使って湿度を下げることが大切です。
そうすれば快適な空間になるだけではなく、夏場の湿気が原因でエアコンのフィルターにカビが生じてしまうのも防げます。
冬は、湿度が低く乾燥しやすい時期なので、加湿器を使って湿度を上げましょう。
なお、除湿器や加湿器を使用する場合は、エアコン選びのときと同じように、部屋の広さに適しているものを選んでください。
加湿器を用意しなくても、洗濯物を部屋のなかに干したり、タオルを湿らせて干したりしても加湿ができます。
室外の熱が入らないように工夫する
いくら冷房で部屋を涼しくしようとしても、室外から熱が入るとなかなか設定温度まで下がらないケースがあります。
たとえば、窓から日差しが差し込んだり、ドアに隙間があったりする場合は、快適な温度を保つための工夫を行う必要があるでしょう。
窓は紫外線による熱が出入りしやすい場所であり、夏は屋外の70%ほど、冬は屋外の50%ほどの熱が入るといわれています。
対策としては、窓からの日差しを避けるために、遮熱・断熱効果が期待できるカーテンやブラインドシートなどを使用するといいでしょう。
また、外出するときは、カーテンを閉めてから外に出ることで、部屋の温度が上がりにくくなります。
より断熱効果を高めたい場合は、厚手のカーテンに変更したり、複層ガラスや二重サッシの窓に交換したりするのもおすすめです。
冬は、窓のサッシの隙間から冷たい風が入ってきて、エアコンの効きが悪くなってしまう場合があります。
暖房の効率を高めるために、分厚いカーテンや丈の長いカーテンなどを活用して、冷たい風が入ってくるのを防ぐといいでしょう。
室外機の周りに障害物を置かない
室外機の吹き出し口の近くに障害物があると、空気が循環しにくくなるので、冷暖房の効率が悪くなる恐れがあります。
そのため、定期的に室外機の周りをきれいに掃除しましょう。
また、室外機の設置場所を、風通しのいい場所に変更するのもポイントです。
雪国で住んでいる方は、室外機の周りの雪を定期的に除去するようにしてください。
換気を定期的に行う
エアコンを使用しながら定期的に換気を行えば、部屋にこもった熱や湿気を室外に逃せます。
窓を開けたり換気扇を活用したりするだけで、部屋の温度や湿度の調節が可能なので、気づいたときにぜひ行ってください。
窓を開けて換気するときは、家の対角線上にある2か所の窓を開けると、短時間で効率良く空気の入れ替えができます。
窓が1か所しかない場合、開けた窓に向けてサーキュレーターや扇風機などで風を送り、部屋の空気を外に逃がして循環させるといいでしょう。
夏の部屋干しを控える
夏は湿度が高く蒸し暑い場合が多いので、最適湿度50%を超えないよう洗濯物を部屋干しするのは控えましょう。
洗濯物を部屋干しすると、部屋の湿度が10%〜20%ほど上がるといわれています。
洗濯物は日光などで急速に乾かさなければ、生乾きによる不快な臭いが生じる可能性があるので、部屋干しではなく外干しをするのがおすすめです。
梅雨などの雨が続いて部屋干ししなければならない時期は、扇風機を当てたり換気扇のある浴室に干したりして湿度が高くなりすぎないよう工夫しましょう。