部屋干しには、天候に左右されず、花粉などの付着を防げるなどのメリットがあります。
ただ、梅雨や冬の時期、部屋干ししている洗濯物がなかなか乾かないことありませんか?
実は、エアコンを上手に活用すれば、洗濯物を早く乾かせます。
そこで本記事では、エアコンを使った効果的な部屋干し方法や、洗濯物を早く乾かすコツなどを解説するので、ぜひ参考にしてください。
部屋干しだと洗濯物が乾きづらいのはなぜ?
部屋干しは天候に左右されないので便利なものの、洗濯物が乾きづらいのが難点です。
まずは洗濯物が乾きづらい主な原因を3つご紹介します。
湿気が多い
室内は、外よりも湿気が多くなりがちです。
さらに、部屋干し中は閉め切っていることが多いため、湿気がこもりやすくなります。
部屋の湿度が高く空気中に湿気が多いと、洗濯物に含まれている水分が空気中に移動しづらく、乾燥に時間がかかる原因になってしまいます。
風通しが悪い
外干しと比べて、室内は風通しが悪くなります。
たとえ窓を開けていても、外の風が十分に入ってこないことも多いでしょう。
風通しが悪いと、洗濯物の周囲の湿った空気が入れ替わりにくく、乾くのが遅くなってしまう原因につながります。
洗濯物を干すスペースが狭い
部屋干しでは、洗濯物を干すスペースが限られている場合が多いです。
濡れた洗濯物を詰めて干すと、空気の流れが悪くなり風通しが悪くなってしまいます。
洗濯物周辺の空気がうまく循環しないと、湿気を含んだ空気が移動しないため乾きの悪さに繋がってしまうので注意が必要です。
洗濯物の乾きが悪いとどうなる?
ここでは、洗濯物の乾きが悪いことで起こりうる、3つのデメリットを解説します。
生乾き臭が発生する
洗濯物の乾きが遅いと、いわゆる「生乾き臭」が発生してしまいます。
生乾き臭は、湿った状態で乾くまでに時間がかかることによって、モラクセラ菌をはじめとした雑菌が繁殖してしまうのが原因です。
そして、独特の不快な臭いは、1度ついてしまうとなかなか取れにくくなってしまいます。
生乾き臭がつかないよう、できるだけ早く乾かしきるのが重要です。
カビやダニが発生しやすくなる
洗濯物の乾きが悪いと部屋の湿度が上昇し、カビやダニが発生しやすくなります。
カビは湿度60%以上で繁殖しやすくなり、ダニは湿度70%以上の環境を好むためです。
家具や壁紙などにカビが生えると、取り除くのに手間がかかってしまいます。
また、カビやダニは健康被害の原因になる可能性もあり、場合によってはアレルギー症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。
部屋干しにはエアコンを活用しよう!
部屋干しには、エアコンを上手に使うことで効率がぐっと向上します。
ここでは、洗濯物を部屋干しする際のエアコンの活用法を4つご紹介します。
除湿モードの利用
部屋干しには、エアコンに搭載されている「除湿モード」を利用するのが有効です。
この除湿モードは、室内の湿度を下げることができるので、洗濯物から水分が蒸発しやすくなります。
特に、梅雨時期や湿度の高い日には効果的です。
なお、除湿モードは、エアコンによって「弱冷房除湿方式」と「再熱除湿方式」があるのがポイント。
「弱冷房除湿方式」は、吸い込んだ空気を冷やして水分を取り出す方式です。
一方「再熱除湿方式」は、吸い込んで冷やした空気を、再度暖めなおしてから室内に戻す方式。
部屋の温度を下げずに、湿度のみ下げることが可能です。
2つの除湿方式には、それぞれメリット・デメリットがあります。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
弱冷房方式 | 冷房と同じで、冷えた空気をそのまま部屋に戻す | ・電気代を抑えた運転が可能 ・部屋の温度も下がるので、夏など暑い日に有効 |
・除湿の際に空気を冷やすので、肌寒さを感じることもある |
再熱除湿方式 | 除湿後の冷やした空気を、再度暖めなおして部屋に戻す | ・室温が下がらないので、体への負担が少ない | ・空気を暖めなおすため、弱冷房方式に比べ電気代が高くなる |
エアコンのお買い替えや購入を検討中の方は、除湿モードの違いもぜひ確認してみてください。
冬は暖房運電で乾かす
冬など寒い時期には、暖房運転を使って洗濯物を乾かすのが効果的です。
暖かい空気はより多くの水分を含めるため、洗濯物から水分を吸収しやすくなります。
ただし、設定温度を上げすぎると電気代がかかりやすくもなる点に注意しましょう。
洗濯物がよく乾く初夏の温度は20℃前後なので、温度設定は20~25℃程度がおすすめです。
ランドリーモードを搭載しているなら活用する
エアコンの機種によっては、洗濯物を乾かすのに特化した「ランドリーモード」が搭載されているものがあります。
このモードでは室内・屋外の温度に応じて、除湿・冷房・暖房など運転モードを自動で選び、部屋干しに適した設定になります。
もしお使いのエアコンにこのモードが搭載されている場合は、ぜひ積極的に活用してみてください。
風向きの調整
エアコンの風向きを洗濯物に向けることで、洗濯物の乾燥効率が向上します。
洗濯物に向かって風を送ると、衣類周辺の空気の循環を促せるためです。
さらに洗濯物が乾くのを促進するポイント
ここでは、さらに洗濯物が乾くのを促進するポイントをご紹介します。
エアコンの活用に加えて、以下の4つのポイントをおさえてより効率的に洗濯物を乾かしましょう。
洗濯物の干し方を工夫する
洗濯物は干し方を工夫するのが重要です。
服と服の間にできれば10cm程度の間隔がとるのが理想的。
エアコンの風がしっかり当たるように、洗濯物の位置を調整しましょう。
また、衣類に合わせたハンガーなどを活用するのもおすすめです。
袖や襟もとを広げて干せるハンガーやズボンを吊り干しできる「ピンチハンガー」、フードも乾かしやすい「パーカーハンガー」など数多くのアイテムがあります。
どれも空気の通りをよくできるので、洗濯物が乾きやすくなります。
衣類の表面積をしっかり広げて干すこともポイント。
たとえば、シャツなら襟を立てたりボタンを外したりして干す、ズボンなら裏返しにして干すなど、衣類に合わせた干し方をすることで効率的に部屋干しできます。
扇風機やサーキュレーターを活用する
エアコンと一緒に扇風機やサーキュレーターを使うと、空気の循環がよくなり乾燥効率が上がります。
衣類周辺の風通しがよくなるように、洗濯物に向けて風を送ると効果的です。
特に、なるべく風が当たらない場所を作らないように配置するのがポイント。
風を当てることで、洗濯物周辺の湿った空気を追い出し、洗濯物の水分が早く逃げ出せる環境にしてあげましょう。
フィルター掃除はこまめにする
エアコンのフィルターが目詰まりしていると、空気の循環が悪化し、除湿や冷暖房の運転効率の低下をまねきます。
2週間に1度は、フィルターのお手入れをするようにしましょう。
一般的なエアコンフィルターのお手入れは、取外して掃除機でホコリを吸い取ればOKです。
汚れがひどい時は、水洗いをして十分に乾かしてから取り付けましょう。
フィルター掃除をすることは、節電にもなるのでぜひ実践してみてください。
エアコンに洗濯物を近づけすぎない
エアコンの吹き出し口のすぐ前に洗濯物を干すと、空気の流れが悪くなる場合があります。
また、暖房運転をしている場合、吹き出し口と洗濯物が近すぎると洗濯物に熱がこもりすぎ、衣類に痛みが発生するかもしれません。
部屋干しの際には、エアコンの風がまんべんなく当たる距離を考えて干しましょう。
エアコン以外で部屋干しに有効な家電
ここでは、エアコン以外に部屋干しに有効な家電を紹介します。
エアコンが設置できない場所での部屋干しに使ったり、エアコンと併用し効率的に衣類を乾かたりするのにおすすめです。
除湿機
除湿機は、室内の湿気を取り除く家電です。
ものによってはエアコンの除湿モードよりも強力に除湿できるため、梅雨時期など湿度の高い日に特に効果を発揮します。
持ち運びも可能なタイプが多く、洗濯物の部屋干し以外にも、クローゼットや玄関など湿気を取りたい場所に移動させての運転も可能です。
除湿方式やサイズの違いなど種類も豊富な点も特徴。
自宅や使い方に合わせた機種選びができるのもおすすめポイントです。
衣類乾燥機、乾燥機能付き洗濯機
洗濯物を干す手間がなく、衣類を乾燥させることができるのが衣類乾燥機や乾燥機能付き洗濯機です。
天候に関係なく衣類を乾かせるのはもちろん、干す必要がないので時短家電としても魅力的。
ただし、ヒーターの熱を利用して乾燥させるため、電気代がかかることや衣類によっては縮みやダメージが発生する場合があります。
また、本体の設置場所も事前に確認が必要です。
本体価格も比較的高価なものが多いので、自分にぴったりなものを選ぶ際には慎重に検討しましょう。
浴室乾燥機
浴室乾燥機は、浴室を利用して洗濯物を乾かす家電です。
浴室という密閉された空間で乾燥させるため、効率よく部屋干しができます。
また、衣類乾燥以外にも、換気・暖房・冷風などさまざまな機能があり、浴室内を快適な環境に保てるのも特徴です。
乾燥機能を使えば、浴室内の湿気を除去できカビ対策にもなるのも魅力的。
ただし、浴室内の限られたスペースを利用するので、洗濯物を干せる量には限界があります。
除湿機や衣類乾燥機などに比べて、電気代がかかりやすい点には注意が必要。
なお、設置には工事が必要なので、賃貸住宅など環境によっては利用できない場合もあります。