オーブンレンジは、温めから調理まで幅広い用途で活躍する家電です。
1台でさまざまな使い方ができる多機能性が特徴ですが、それゆえ選び方に悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オーブンレンジの選び方やおすすめ商品などをご紹介します。
また、オーブンレンジと電子レンジの違いや、加熱水蒸気など機能についても解説いたしますので、オーブンレンジ選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
オーブンレンジと電子レンジの違いは?
レンジには、オーブンレンジと単機能電子レンジの2つのタイプがあります。
それぞれの違いを簡単にまとめました。
オーブンレンジ | 電子レンジ(単機能レンジ) | |
---|---|---|
できること | 温め・解凍・グリル・オーブン・スチーム調理など | 温め・解凍 |
加熱方法 | マイクロ波・ヒーター・加熱水蒸気など | マイクロ波 |
本体容量 | 17~30Ⅼの大容量まである | 17~23Ⅼほど |
本体サイズ | 比較的大きい | 比較的コンパクト |
価格 | ・比較的安価で、目安8,000〜20,000円あたりで購入可能 ・高いものは40,000円くらい | ・比較的高価で、目安18,000円あたりから購入可能 ・価格の幅が広く、高いものは10万円を超えるものも |
オーブンレンジは、電子レンジの温め・解凍機能に加え、ヒーターや加熱水蒸気などによる多彩な調理が最大の魅力です。
また、内部のセンサーやタッチパネルなどの操作部など、高機能なモデルも多く機能性にも優れています。
単機能電子レンジ向きの人
オーブン機能がない単機能レンジが向いているのは、以下のような人です。
- 食品の温めや解凍のみできればOKという方
- できるだけ予算を抑えてレンジを購入したい方
- 設置場所に制限があり、本体がコンパクトなモノを探している方
電子レンジは、できることが限られているぶん、安く購入できたりそこまでスペースをとらずに設置が可能です。
シンプルに温めと解凍さえできれば十分という方は、単機能の電子レンジが向いています。
しかし、製品の種類自体は多くなく、容量も小さめになりがちというのはデメリットです。
オーブンレンジ向きの人
一方、オーブンレンジを購入したほうがいいのは以下のような人です。
- 温めや解凍以外にも、焼き料理や蒸し料理などさまざまな調理がしたい方
- スチーム調理がしたい方
- ワンボウルメニューやお手入れ機能など、さまざまな機能を使ってみたい方
- 豊富なラインナップから選びたい方
オーブンレンジは、1台で複数の用途に応えられるのが最大の特徴です。
温めや解凍のみならず、ハンバーグやパン、お菓子作りなどのオーブン調理や、スチームを使った蒸し料理など、幅広い調理が可能。
モデルによっては庫内が広く、2皿同時に温めや調理ができる大容量モデルは、手間が省け時短にもなります。
また、温度センサーによる自動調理メニューや、簡単に庫内をキレイにできるお手入れメニューなど、高い性能を備えているものも多いのが魅力です。
しかし、オーブンレンジは、製品のラインナップが豊富なため、自分の用途やに合ったものを選ぶのに迷ってしまうデメリットも。
20,000円前後からはては100,000円前後まで価格帯も広いので、予算やニーズを考えた製品選びが重要です。
オーブンレンジの選び方は?
オーブンレンジは、豊富な種類から選べる反面、迷ってしまいがちです。
ここでは、選び方の重要ポイントを6つご紹介いたします。
- 容量・サイズを選ぶ
- センサーの違いで選ぶ
- レンジの性能で選ぶ
- オーブン機能で選ぶ
- 使い勝手・お手入れのしやすさで選ぶ
- 予算で選ぶ
容量・サイズを選ぶ
オーブンレンジの選び方でまず重要なのが、容量と本体サイズです。
容量が大きければ、一度にたくさんの料理が調理できますし、大きめの容器もなんなく入ります。
お菓子作りやパン作りなどを楽しみたい方も、庫内が広い大きめ容量モデルがおすすめです。
容量選びの目安を表にまとめました。
20~25Ⅼ前後がおすすめの方 | ・1~2人で使うなら方 ・少量の調理しかしない ・できるだけコンパクトなモノを探している方 |
25~30Ⅼがおすすめの方 | ・3人以上で使う方 ・2品同時に調理や温めがしたい方 ・パンやケーキなどのお菓子作りなども楽しみたい方 |
また、容量に加えて必ず確認しておきたいのが、本体サイズです。
せっかく気に入ったオーブンレンジでも、設置ができなければがっかりしませんか?
事前に設置スペースの、幅・奥行・高さを確認しましょう。
注意したいのが、放熱スペース。
オーブンレンジは、本体サイズ以外に本体から出る熱や水蒸気を逃がすためのスペースが必要です。
製品ごとに、上方・背面・左右に必要な放熱スペースが定められていますので、併せて確認してください。
モデルによっては「背面ピッタリOK」や「左右ピッタリOK」といった省スペースに設置できるモノもあるので、設置場所に制限がある方におすすめです。
センサーの違いで選ぶ
オーブンレンジは、センサーの違いで温めや加熱調理に差が出ます。
センサーの種類は主に4つです。
赤外線センサー |
・食品から放出される赤外線量を判断し、食品の表面温度を測定する方式 ・主に中~上位モデルに搭載されていることが多く、高性能なセンサーとして採用 ・センサーの精度はメーカーやモデルによっても違い、最上位モデルの赤外線センサーはより最適な加熱ができる |
---|---|
重量センサー |
・オーブンレンジ内に置いた食品や食器などの重量を測る方式 ・食材は加熱すると水分が蒸発して重さが減るので、その重さを計測し加熱時間を調整 ・食品の重さ自体を測るため、庫内の温度上昇などに影響されないのがメリット ・ただし、重たいお皿や容器を使うと重量差を検知しにくくなり、加熱しすぎてしまう場合があるので注意が必要 |
湿度センサー(蒸気センサー) |
・加熱した食材から出る水蒸気量を検知する方式 ・ラップやフタなどして加熱すると蒸気が感知しづらくなり、加熱しすぎるなどの誤差が発生しやすくなる点には注意が必要 |
温度センサー |
・オーブンレンジ内の温度を測定する方式 ・主にオーブン機能やグリル機能を使う際に、庫内の温度調整に必要なセンサーとして採用されている |
レンジの性能で選ぶ
温めや解凍のレンジ機能をよく使う方は、レンジとしての性能が高いモデルがおすすめです。
レンジの性能が高いと、自動でのあたためが素早く誤差が少ないのも特徴。
また、モデルによっては、食材を美味しく解凍できる機能などもあります。
日々、使う頻度が高いレンジ機能だからこそ、重視してほしいポイントです。
加えて、搭載されていると便利な機能を3つほどご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
2品同時あたため機能 | ・ごはんとおかず、違うおかずを2皿など、種類の違う食品を2皿同時にあたためられる機能 ・赤外線センサーで表面温度を測りながら、加熱時間の調整などをおこない時短にもなる |
---|---|
お好み温度あたため機能 | ・食品に合わせて好みの温度に設定し、あたためられる機能 カチカチのアイスクリームを食べやすい状態にしたり、チョコレートを溶かして生チョコにしたりできる ・赤外線センサーを搭載した、主に上位モデルに採用されていることが多い |
選べる解凍機能 | ・冷凍した食材を、用途に合わせて上手に解凍できる機能 ・時間がない時に急いで解凍できるモードや、包丁で切りやすい半解凍モードなどがある |
オーブン機能で選ぶ
調理やお菓子作りなどが好きな方は、オーブン機能を重視してみてください。
オーブン機能が高性能なら、料理の幅が広がりますし、使う調理器具が少なく済み片付けが楽になるなどメリットも多いです。
製品によってはオーブンの最高温度は違いますが、約200~350℃に設定が可能。
火力が高いモデルなら、予熱時間が短縮でき、食材も高温で調理でき時短にもつながります。
また、調理に便利な機能が採用されているかもチェックしてみてください。
熱風コンベクション機能 | ・庫内のファンにより、熱風を循環させ包み込むように食材を焼き上げる機能 ・オーブンレンジ内を均一に加熱でき、ムラなく焼きあがる ・2段料理可能なモデルには搭載されていることが多く、広い庫内でたくさんの食材を調理したい方におすすめの機能 |
---|---|
加熱水蒸気機能 | ・タンクにセットした水を、100℃以上の高温状態の加熱水蒸気にし、食材を調理する機能 ・あたためや蒸し、焼き調理など、さまざまな用途に利用でき調理の幅が広がる ・加熱水蒸気で調理すると食材の余計な塩分や油分をカットできるので、ヘルシー調理がしたい方にもおすすめ |
おまかせ調理機能 | ・オーブンレンジ内の食材を、専用の調理メニューで自動加熱する機能 ・ボタン1つでお肉を焼きあげたり、冷蔵・冷凍・常温と温度の違う食材をまとめて焼き上げたりできる ・メーカーやモデルによって、できるメニューの幅は異なるものの、調理や片付けの手間も減らせる時短機能としておすすめ |
使い勝手・お手入れのしやすさで選ぶ
オーブンレンジは、人によっては1日に何回も使うもの。
利用頻度が高いからこそ、使い勝手やお手入れがしやすい方がいいですよね。
ここでは、いくつかポイントをご紹介するので参考にしてみてください。
自動メニューの数や種類 | ・食材さえセットすれば、時間や温度調整はレンジが自動でおこなってくれる ・モデルによっては、耐熱ボウルを利用した「ワンボウルメニュー」などを採用し、簡単かつ洗い物が少なくすむ |
---|---|
スマホ連携機能 | ・専用のアプリと連動すると、調理メニューを追加したり、レシピの加熱情報を手軽に設定できたりする ・過去のレシピの登録や音声検索などができるので、よりオーブンレンジを使いこなしたい方にはおすすめの機能 |
オーブンレンジ内の汚れ防止コーティング、フラット天井 | ・オーブンレンジ内やオーブン用の角皿に汚れがつきにくく拭き取りやすい防汚コーティングが施されている ・庫内の天井部のヒーターが埋め込んであるフラットな天井であれば、拭き掃除が簡単 |
操作タッチパネル | ・レンジの操作部は、主に「ボタン」「ダイヤル」「液晶タッチパネル」の3種類 ・上位モデルに多く採用されているのが、液晶タッチパネル方式 ・文字やイラストなどで調理メニューや使い方が表示され、説明書を見なくても分かりやすく使いやすいのが特徴 |
予算で選ぶ
どんなに高性能でも、予算が合わなければ諦めなくてはなりません。
まずは自分の出せる予算を把握して、予算内で選ぶことも重要です。
オーブンレンジは、種類が豊富なぶん価格帯もさまざまで、20Ⅼ前後のエントリークラスであれば20,000円前後、25Ⅼ前後のミドルクラスなら40,000〜60,000円前後、30Ⅼのハイグレードクラスなら80,000〜100,000円前後です。
メーカーやモデルによって変わりますのであくまで目安ですが、参考にしてください。
おすすめメーカーとその特徴は?
ここでは、おすすめの5つのメーカーとその特徴をご紹介します。
パナソニック
パナソニックは、「Bistro(ビストロ)シリーズ」が人気のメーカーです。
食材を耐熱ボウルに入れるだけの「ワンボウルメニュー」や、予熱なしで両面焼きができる機能などに対応したモデルがあり、便利な機能を備えた製品が揃っています。
また、上位モデルには精度の高い赤外線センサーや高機能なレンジ機能が採用されており、簡単に調理やあたためができる点も大きな特徴。
コンパクトでシンプルなデザインのモノから、高性能大容量モデルまで幅広いモデルがあり、充実したラインナップも魅力です。
東芝
東芝は、「石窯ドームシリーズ」を主力としたメーカーです。
最高温度350度の高火力とスピーディーな予熱で、素早く焼き上げるオーブン性能が最大の魅力。
また、汚れがつきにくい「とれちゃうコート」を採用したモデルがあり、キッチンシートなしでもお手入れが簡単にすみます。
独自の深皿メニューやえらべる解凍メニューなど、料理を楽しみたい方にもぴったりな機能が満載です。
シャープ
シャープは、「ヘルシオシリーズ」による加熱水蒸気調理を広めたメーカーです。
他社と違いヒーターを使わず、約300℃にもなる高温スチームのみで調理が可能。
食材の栄養素をキープしつつ、油分や塩分を落としたヘルシー調理が魅力です。
異なる温度の食材をまとめて調理できる「まかせて調理」や、分量設定などが不要の自動調理「らくチン1品機能」など、ユニークな機能も備えています。
日立
日立は、「ヘルシーシェフシリーズ」をメインに展開しているメーカーです。
加熱水蒸気とヒーターを組み合わせた多彩な調理が可能で、油を使わないヘルシーな料理を作ることもできます。
外して洗えるセラミック製のテーブルプレートや、シリコン系塗装を採用した汚れの付きにくいコーティングなど、お手入れが楽になる「らくメンテ」も好評です。
象印
象印は、高機能「EVERINO(エブリノ)シリーズ」とデザイン性の高い「STAN.(スタン)シリーズ」の2種類を主軸に展開しているメーカーです。
2022年にオーブンレンジ市場に再参入した象印。
特徴としては、「レジグリ」・「うきレジ」・「サクレジ」の3つの機能を採用した独自性の強い機能で、毎日簡単に使えるレンジを目指したレンジです。
また、シンプルで分かりやすい操作性にも配慮されており、ダイヤルボタンと大きめの液晶画面など迷わず使える設計になっています。
マットな質感のデザインも、キッチンになじみやすくインテリア性も高いです。
おすすめオーブンレンジ6選
人気メーカーの商品からオーブンレンジを選ぼうとしても、どの商品を選んだらいいか迷う方も多いでしょう。
ここでは、多くの商品のなかからおすすめのオーブンレンジを6つご紹介します。
東芝 ER-D70A-K
商品詳細はこちら東芝のER-D70A-Kは、赤外線センサーと温度センサーによる上手なあたためが特徴のオーブンレンジです。
ボタン1つで使える「ごはん」「おかず」などの自動メニューや、食品に合わせた「お好み温度あたため」など、普段づかいに便利な機能が採用されています。
また、おいしく焼き上げる250℃のオーブン機能を搭載。
食材のうまみや水分を逃さず一気に加熱する本格的な焼き物はもちろん、油を使わないヘルシーな「ノンフライ調理」もでき、調理の幅が広がります。
本体カラーは、ブラックとグランホワイトの2色あり、キッチンにあった色を選びたい方にもおすすめです。
シャープ RE-WF264-W
商品詳細はこちら
シャープのRE-WF264は、2段調理可能な熱風コンベクション機能が特徴のオーブンレンジです。
クッキーやパン作りなども、たっぷりムラなく焼き上げられます。
食品から発生する蒸気を検知する「らくチン!(絶対湿度)センサー」を採用しており、連続で温めをした熱い庫内でも、食品が入った容器が違っても、あたため運転が可能です。
手軽に1品料理が作れる「ワンディッシュメニュー」や「らくチン1品機能」など、手間を減らせる機能も充実しています。
また、インテリアになじみやすいシンプルなデザインも魅力のひとつ。
見た目にこだわりたい方にもおすすめです。
象印 ES-GW26-BM
商品詳細はこちら
象印のES-GW26は、ユニークな機能が特徴のオーブンレンジです。
食材の芯まで素早く加熱する「レジグリ」、専用ボウルに食材をセットし加熱ムラを抑えた調理ができる「うきレジ」、お惣菜など揚げ物をサクサク状態にあたため直す「サクレジ」といった独自機能を備え、手軽に調理が可能です。
赤外線センサーを搭載し、好みの温度に温められたり、全解凍か半解凍か選べる解凍にも対応しています。
本体は、スレートブラックとホワイトの2色展開。マットな質感とシンプルなデザインがおしゃれなレンジです。
東芝 ER-D3000A-K
商品詳細はこちら
東芝のER-D3000Aは、高火力が特徴のオーブンレンジです。
最高温度300℃のラウンド石窯ドーム構造と、熱風コンベクションによる高効率の熱対流により、食品をムラなく美味しく仕上げます。
角皿に食材を並べてスタートを押すだけで調理可能な「石窯おまかせ焼き」や、加熱水蒸気による「ハイブリッド調理」など、手間なく本格調理ができるメニューも便利です。
また、庫内前面がフラットで拭きやすく、角皿や庫内には汚れがつきにくい「とれちゃうコート」でお手入れもらくらく。
スチームを利用したお手入れコースもあり、庫内をキレイに保ちやすい1台です。
パナソニック NE-BS8C-K
商品詳細はこちら
パナソニックのNE-BS8Cは、裏返さず両面焼きができる「ヒートグリル皿」が特徴のオーブンレンジです。
フラットな天井に埋め込まれた大火力ヒーターも使い、手間なくグリル調理が可能。
焼き網を使わないため、洗い物も少なくてすみます。
また、耐熱ボウルに食材をセットすれば調理ができる「ワンボウルメニュー」も魅力のひとつ。
常温食材でも冷凍食材でも、包丁や鍋などを使わず手軽に料理が楽しめます。
高精度の赤外線センサーや、コンベクション機能を使った2段調理などの基本機能も充実したモデルです。
シャープ AX-UA30-B
商品詳細はこちら
シャープのAX-UA30-Bは、加熱水蒸気のみで調理が可能のスチームオーブンレンジです。
お肉や野菜など好みの食材を自動でちょうどよく焼き上げる「おくだけグリル」や、天ぷらやパンを作りたてのおいしさにあたためる「ヘルシオあたため」などユニークな機能が豊富。
複数のおかずを同時に作り上げることもでき、料理の手間を減らして時短にもつながります。
また、ヒーターを使わないので調理時にアルミホイルや金ザルなども使えるのも特徴。
スチームを利用したお手入れ用メニューなどもあり、使った後のメンテナンスもしやすいです。
Wi-Fiに接続し独自のスマホアプリと連携すれば、新しいメニューを追加もできる拡張性もあります。
レンジでのあたためから、時短調理まで幅広く活躍できるオーブンレンジとしておすすめのモデルです。