エアコンの冷房・暖房が効かない原因と対処法7選!よくある質問もご紹介

エアコンの冷房・暖房が効かない原因と対処法7選!よくある質問もご紹介 エアコン

暑い日にエアコンの冷房が効かない、あるいは寒い日に暖房が効かないと、快適な生活は送れません。

そこで今回は、エアコンの冷房・暖房が効かない原因ごとに、自分で対処すべきかプロに依頼すべきか、適切な解決策をご紹介していきます。

さらにエアコンを買い換える目安など「よくある質問」についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

エアコンが効かない根本的な原因

結論から言うと、エアコンが効かない根本的な原因は「風力の低下」または「効きが悪い」のどちらか片方、もしくは両方です。

具体的には、以下のようなにエアコンの状態で見分けることができます。

  • 冷風または温風は出ているが、「風力が弱い」→風力の低下
  • 風は勢いよく出ているが、「冷たくない」または「暖かくない」→効きが悪い

ここからは、エアコンの「風力が低下する原因」と「効きが悪くなる原因」について個別に解説していきます。

エアコンの風力は「汚れ」で低下する!

エアコンの風力が弱まる要因はいくつかありますが、最大の原因は風の流れを妨げる「汚れ」です。

エアコンは、以下の手順に沿って室内の空気を吸い込み、冷風または温風に変換して出力する仕組みになっています。

しかし、それぞれの箇所がホコリなどで汚れていると、風の流れが滞って風力が低下してしまうのです。

風の流れ 汚れている時の症状
ステップ1 吸込み口、フィルター 室内の風を吸い込めなくなる
ステップ2 熱交換器 風を吸い込めなくなる+風を出力できなくなる
ステップ3 ファン 風ムラがでたり、風の流れが滞ったりする
ステップ4 吹出し口 風量が弱まる/風ムラがある/ほとんど風が出ない

なお、汚れが原因でエアコンの風力が低下した時の解決策については、後述する「対処法:フィルターを掃除する(自分で解決)」で詳しく解説します。

エアコンの効きは「冷媒の稼働率」で決まる!

一方、エアコンの効きが悪くなる最大の原因は、「冷媒の稼働率の低下」です。

エアコンの冷媒とは、いわゆる「冷媒ガス」や「フロンガス」のことで、空気を冷やしたり温めたりする役目を担っています。

風は問題なく出ているが「冷たくない」または「暖かくない」という場合は、冷媒の稼働率が低下している可能性が高いため、プロの業者に点検・修理を依頼しましょう。

エアコンの冷房が効かない理由と対処法

エアコンの冷房が効かない時の対処法は、その原因によって異なります。

効かない原因 対処の方向性
エアコン フィルターのホコリ 自分で解決
エアコンの故障 プロに依頼
ガス漏れ プロに依頼
室外機 ガス漏れ プロに依頼
周辺の障害物 自分で解決
住環境 部屋の広さに合っていない 買い換えを検討

ここからは、エアコンの冷房が効かない5つの原因と、それぞれの対処法について個別に解説していきます。

原因1:ホコリが溜まっている

エアコンの冷房が効かない原因として最もありがちなのが、フィリターやファンに溜まっているホコリです。

ホコリが溜まっていると風量が低下するため、正常時に比べて2倍ほど効きが悪くなり、電気代も割り増しになってしまいます。

対処法:フィルターを掃除する(自分で解決)

エアコンを掃除する頻度は使用状況にもよりますが、業者のクリーニングは年に1~2回が目安です。

一方、自分でフィルターを掃除する頻度は、毎日エアコンを使っているご家庭では2週間に1度、たまにしか使っていない場合は月に1度のスパンが目安になります。

なお、自分でフィルターを掃除する手順は以下の通りです。

  1. フィルターを取り外す
  2. 表面→裏面の順で、掃除機でホコリを吸い取る
  3. 裏面→表面の順で水洗いする(ひどい汚れは台所用の中性洗剤とスポンジで優しく洗う)
  4. タオルで水気を拭き取り、日陰で十分に乾燥させる
  5. フィンなど内部の汚れを拭き取ってから、フィルターをセットする

水気が残っているとカビが発生してしまうため、しっかり乾かしてください。

ちなみに、お掃除機能付きエアコンで自動的にクリーニングされるのは、あくまでフィルターの表面のみです。

たとえお掃除機能付きのエアコンであっても、少なくとも月に1度はセルフでのクリーニングが必要です。

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原因2:エアコン本体が故障している

以下に当てはまる場合は、高確率でエアコンの故障が疑われます。

  • 電源が付かない
  • 風が出てこない
  • タイマーランプが点滅している

対処法:修理する(プロに依頼)

エアコン本体が故障している場合は、製造メーカーに修理を依頼するのが基本です。

  • 設置から1年以内:メーカー保証を適応してもらう
  • 設置から1年以降:メーカーの有償修理、または修理業者へ依頼

ただしメーカー保証が切れている場合、修理代とは別に「出張費」や「部品代」などが発生する可能性が高いため、買い換えた方が安上がりになるケースも少なくありません。

まずはメーカーに問い合わせ、症状を伝えて費用の目安を確認してみましょう。

原因3:冷媒ガスが漏れている

エアコンの「効き」を左右する冷媒ガスが漏れる主な原因として、以下の3つが挙げられます。

  • 配管取り付けミス
  • 室外機の移動や転倒
  • 経年劣化による配管の腐食

「エアコン本体」と「室外機」のどちらで冷媒ガスが漏れしているかは、「霜が付着している箇所」で見分けることができます。

  • エアコン本体のガス漏れ:エアコン内部にある熱交換器に霜がつく
  • 室外機のガス漏れ:室外機から伸びているホースに霜がつく

対処法:ガスを補充する(プロに依頼)

冷媒ガスの補充は「漏れた原因」によって、依頼先が異なります。

  • 取り付けミス:取り付け事業者に無償で補充してもらう
  • 経年劣化によるガス漏れ:エアコン業者に依頼して、有償で補充してもらう

ちなみに、エアコン業者に冷媒ガスの補充を依頼する際の費用相場は、2万円前後です。

原因4:室外機のトラブル

室内の暖かい空気を室外に排出するのが、室外機の役割です。

以下の状態では室外機から熱が放出されにくくなるため、冷房・暖房の効きが弱まるのはもちろん、ムダな電気代がかかってしまいます。

  • 室外機まわりに物がある
  • 風出口が汚れで塞がれている
  • 室外機に直接日光が当たっている

対処法:室外機の周辺を掃除する(自分で解決)

室外機から熱が放出されにくくなっている場合は、以下の対処法がおすすめです。

  • 室外機の周囲から、鉢植えなどの障害物を置かない
  • 室外機に直射日光が当たらないよう、「すだれ」などで日陰を作る
  • 室外機の遮熱パネルを設置する

室外機の背面と側面は5㎝以上のスペースを、前面は少なくとも25㎝のスペースが確保しましょう。

原因5:エアコンの性能が住環境に適していない

エアコンの性能が住環境に適していないのも、冷房が効かないと感じる代表的な原因です。

たとえば、10畳用のエアコンには「冷房:8~12畳」といった具合に、快適に使用できる部屋の広さが定められていますが、鉄筋住宅か木造住家宅かによって上限が異なっています。

  • 木造住宅:8畳まで
  • 鉄筋住宅:12畳まで

たとえ10畳用のエアコンであっても、空気が室外へ逃げやすい木造住宅の10畳で使用すると、部屋の広さに対してエアコンの性能が下回ってしまうのです。

対処法:買い替えを検討する(自分で解決)

エアコンの性能が住環境に適していない場合は、買い換えを検討した方が良いでしょう。

設定温度を極端に下げたり常時フルパワーで稼働させたりすると、エアコンの寿命が短くなるだけでなく、ムダな電力消費につながります。

なお、エアコンの寿命や買い換えるべき目安、効率よく部屋を冷やす方法については、後述する「【Q&A】よくある質問」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

エアコンの冷房は効くのに暖房が効かない原因

エアコンの暖房が効かない場合は、前述した冷房が効かない時の対処法を試してみましょう。

そのうえで、エアコンの冷房は効くのに「暖房だけ」が効かない場合は、以下2つの原因が考えられます。

  • 原因1:霜取り運転をしている
  • 原因2:暖かい空気が上に溜まっている

ここからは、上記2つの原因と対処法について個別に解説していきます。

原因1:霜取り運転をしている

霜取り運転中のエアコンは、暖房が効きません。

暖房運転中のエアコンは室外機から冷風を吐き出しているため、空気中の水分が凍って熱交換器に霜がつきやすい状態です。

そこで定期的に霜取り運転を行い、熱交換器をあたためて霜を融かす必要があります。

とくに、以下のような環境下では室外機に霜が付きやすいため注意が必要です。

  • 気温が5℃以下
  • 降雪地域

対処法:室外機にカバーを付ける(自分で解決)

「雪が降る環境下」または「暖房がすぐに止まってしまう」という場合は、あらかじめ以下の方法で霜降り運転を予防しておきましょう。

  • 室外機にカバーをかけ
  • 暖房の設定温度を、少しだけ下げる

帰宅した直後は暖房の設定温度を28℃にし、一人心地ついたら25℃に下げて様子を見るなど、ちょっとした工夫が霜取り運転の予防に繋がります。

原因2:暖かい空気が上に溜まっている

暖かい空気には上昇する性質があるため、意図的に対策を取らないと天井付近に溜まってしまいます。

結果として足下には暖かい空気が届かず、「エアコンが効かない」と勘違いされるケースも珍しくありません。

対処法:エアコンの風向きを下にする(自分で解決)

温風の風向きは、暖気が床を伝って足下から温まるよう、吹き出し角度を「水平から60°以上下向き」に設定するのが理想的です。

温風が床に到達する前に上昇してしまわないよう、風速を強めに調節しましょう。

【Q&A】よくある質問

最後に、エアコンが効かない原因に関するよくある質問にお答えします。

  • エアコンの寿命は?
  • エアコンを買い換えるべき目安は?
  • 原因が分からない時はどうする?
  • 効率よく部屋を冷やす方法は?
  • 賃貸物件のエアコンが効かないときは?

エアコンの寿命は?

エアコンの寿命は、使用していた環境や頻度によってどのくらい経年劣化が進んでいるかで差はあるものの、一般的に約10年と言われています。

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エアコンを買い換えるべき目安は?

以下の項目に当てはまる場合は、エアコンの買い換えを検討した方が良いでしょう。

  • 購入してから10年以上、経過している
  • 性能が部屋の広さに見合っていない
  • 対処法を試しても効きが改善されてない
  • 修理するより購入した方が安上がりになる

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原因が分からない時はどうする?

エアコンが効かない原因が分からない時は、以下を試してみましょう。

  • 「チェック運転」を試してみる
  • 「エラーコード」を確認する
  • 「メーカーの公式ホームページ」で診断する

効率よく部屋を冷やす方法は?

より効率よく部屋を冷やすには、以下の方法がおすすめです。

  • カーテンで日光を遮断し、室温の上昇を抑える
  • エアコンから出る風を背にする位置にサーキュレーターを配置し、室内の空気をかくはんする

賃貸物件のエアコンが効かないときは?

最初から賃貸物件に備わっていたエアコンが効かなくなった時は、まず以下の3点を確認してください。

  • リモコンの電池切れ
  • フィルターのホコリ
  • 室外機まわりの障害物

それでも改善されない時は、管理会社または大家さんに連絡して修理を手配してもらいましょう。

賃貸物件の多くは、オーナーがエアコンの修理業者を指定しています。

故障に備えて保険に入っているケースも多いため、借主が勝手に修理を依頼すると費用を精算して貰えない恐れがあるため、注意が必要です。

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