冷蔵庫の直冷式・ファン式とは?違いや選び方を解説

冷蔵庫の直冷式・ファン式とは?違いや選び方を解説 その他

冷蔵庫には、直冷式とファン式の2種類があることを知っていますか?
それぞれには特徴的な違いがあり、ライフスタイルや用途によって最適な方式が異なります。
本記事では、直冷式とファン式の仕組みとメリット・デメリットを解説します。
それぞれの特徴を知ることで、自分のニーズに合った冷蔵庫を選べますので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫には直冷式とファン式の2種類がある

冷蔵庫の冷却方式には、大きく分けて直冷式とファン式の2種類があります。
庫内を冷やす仕組みが異なっており、それぞれに特徴があるのがポイントです。

   直冷式 ファン式
省エネ
静音性
食品の乾燥防止 △~〇
本体価格
庫内温度のムラ
庫内温度の回復速度
霜取り 手動 自動
本体サイズの大型化適正
冷蔵庫としてのバリエーション

直冷式は、主に1人暮らし向けなどの小型冷蔵庫に採用され、ファン式は中型から大型の冷蔵庫に採用されています。
2つの冷却方式の違いを知れば、自分に最適な冷蔵庫選びができるはずです。

直冷式冷蔵庫とは

40~130Ⅼあたりの小型冷蔵庫では、直冷式を採用した冷蔵庫が販売されています。
ここからは直冷式の冷蔵庫について解説します。
仕組みやメリット・デメリットについて説明するので、参考にしてみてください。

直冷式冷蔵庫の仕組み

直冷式冷蔵庫は、冷蔵室や冷凍室の庫内に冷却器が取り付けてあり、その冷却器によって直接冷蔵室や冷凍室内を冷やす仕組みです。
1ドアや2ドアの小型冷蔵庫に採用されており、小型冷蔵庫を選ぶ際に選択肢に入ることがあります。

直冷式冷蔵庫のメリット

直冷式冷蔵庫のメリットは、主に4点。

  • 空気の自然対流により冷やすので、食品に直接冷気が当たらず鮮度を保ちやすい
  • ファンを使用しないため、ファン式より消費電力が抑えやすい
  • ファンを回さない分、運転音が小さい
  • 本体価格が安いモノが多い

食品は冷気が当たると乾燥しやすくなりますが、直冷式冷蔵庫ならファンの風がなく鮮度保持において優れています。
特に野菜や果物など、乾燥しやすい食品の保存にぴったりです。
さらに冷却能力が高く、小型の庫内容量もあいまって効率的に冷蔵庫内を冷すことができ、飲み物や食品をすばやく冷やせます。
また、ファンの運転がないため、消費電力や運転音を抑えられるのがポイント。
同じサイズのファン式冷蔵庫と比較しても、省エネ性能や静音性能に優れており、2台目の冷蔵庫として利用したり、寝室など静かに過ごしたい部屋での運用に適しています。
本体価格がファン式に比べると安価なものが多く、購入しやすいのもメリットの1つです。

直冷式冷蔵庫のデメリット

直冷式冷蔵庫のデメリットは、主に3点。

  • 庫内の霜取り作業が必要になる
  • 冷気の自然対流による温度ムラが発生する
  • ファン式に比べ冷却スピードが遅め

直冷式冷蔵庫の1番のデメリットは、定期的な霜取り作業が必要なことです。
直冷式では、ドアを開け閉めするたびに温かい外気が入り込み、温度差により入り込んだ空気中の水分が冷蔵庫内で結露してしまいます。
結露した水分が冷却器で冷やされ霜になり、放置してしまうとどんどん霜の厚みが増し大きくなってしまうのです。
霜の付着がすすむと、冷却効率が低下し電気代もかかりやすくなるため、定期的に霜取りをする必要があります。
霜が薄い場合は、ぬるま湯などで濡らしたタオルで拭き取るくらいですみます。
しかし、霜が厚くついてしまった場合は冷蔵庫の電源を切り、霜を溶かして拭き取る手間がかかります。
食品も全て取り出さなければならず、再度冷えるのを待つため時間も手間もかかるのが難点。
そのため目安として1年に3~5回程度、霜が薄いうちに霜取りをするのがおすすめです。
また、直冷式の冷蔵庫には、温度ムラが発生しやすいという弱点があります。
直冷式では、庫内にある冷却器から冷気を発生させるため、冷却器に近い食品は冷たくなりやすいですが、離れている場所は冷たくなりにくい
冷却器に近すぎる場所にある食品は、冷やされ過ぎて場合によっては凍り付いてしまう可能性があることも知っておいてください。
さらに、ドアの開閉回数が多い場合や夏場などの暑い時期は、ファン式に比べると冷えるのに時間がかかります。
ファン式は送風により冷気を効率よく循環させられますが、直冷式は冷却器からの冷気で包んでいく形になるため、庫内を冷やし直すのに時間がかかるからです。

ファン式冷蔵庫とは

140Ⅼ以上の中型~大型の冷蔵庫は、大半がファン式の冷却方式を採用しています。
ここからは、ファン式冷蔵庫について解説します。
仕組みやメリット・デメリットについて説明するので、参考にしてみてください。

ファン式冷蔵庫の仕組み

ファン式冷蔵庫は、冷蔵室や冷凍室の外部に冷却器が設置されていて、発生する冷気をファンで送風して冷蔵庫内を冷やす仕組みです。
140Ⅼ以上の冷蔵庫のほとんどがファン式を採用しており、現在主流の冷却方式になっています。

ファン式冷蔵庫のメリット

ファン式冷蔵庫のメリットは、主に4点です。

  • 霜取りの手間がない
  • 庫内の温度を一定に保ちやすい
  • 庫内の温度の回復が早い
  • 大型冷蔵庫でも効率よく冷やせる

ファン式冷蔵庫の1番のメリットは、霜取りの手間がないことです。
直冷式では、冷却器が庫内にあるため、発生する霜を定期的に除去する必要があります。
一方、ファン式は冷却器が外部にあり、冷気をファンで送風するので霜が発生しづらいのです。
さらに、多くのファン式冷蔵庫にはヒーターが搭載されており、自動で霜取りをおこうため霜取りの手間がありません。
霜が発生しないから冷却能力の低下も防げますし、霜の除去のために電源を切って食品を取り出すなど、時間と手間をかけずにすむわけです。
また、ファンにより冷気を送り込むため、庫内の温度を一定に保ちやすく、温度ムラが発生しにくいというメリットもあります。
冷気を効率的に循環させられるので、ドアの開け閉めなどにより庫内の温度が上昇した場合も、適正温度へ戻すスピードも早いです。
ファンによる冷気の循環が可能なため、大型の冷蔵庫でも庫内を効率よく冷却でき、中型以上の冷蔵庫はファン式を採用しています。
ほとんどの冷蔵庫がファン式のため、さまざまな価格帯や機能をもったなかから冷蔵庫を選べる点も、メリットの1つだといえます。

ファン式冷蔵庫のデメリット

ファン式のデメリットは、主に3点です。

  • 本体価格が高いものが多い
  • 運転音や消費電力が直冷式より大きい
  • 直冷式より食品が乾燥しやすい

ファン式の冷蔵庫は、自動の霜取り機能や複雑な内部構造により本体価格が直冷式より高価なものが多いです。
ただし、中型以上の冷蔵庫はほとんどがファン式で、種類も豊富なため自分のニーズにあった冷蔵庫が選びやすいという一面もあります。
同じくらいのサイズであれば、直冷式よりも運転音や消費電力が大きいのもデメリットです。
常にファンを回転させる分、電気代と消費電力がかかってしまいます。
特に、寝室やワンルームなどで使う場合には、運転音が気になることもあるでしょう。
また、ファン式は冷気を風で循環させるため、野菜や果物など食品が乾燥しやすいのもデメリットの1つです。
しかし、食品の乾燥に対しては、保存方法を工夫することで対策できます。
近年の冷蔵庫では、食品が乾燥しにくい機能や構造の冷蔵庫も数多く販売されていますので、そこまで大きいデメリットではないです。

直冷式とファン式、どちらがおすすめ?

自分の部屋には直冷式とファン式、どちらがぴったりなのか?
ここからはどちらの方式がおすすめなのか解説します。

1人暮らしや寝室などには直冷式がおすすめ

直冷式は、小型の冷蔵庫に採用されています。
また、省エネ性や静音性能に優れているので、1人暮らしの方や寝室や書斎などに設置するのがおすすめです。
本体価格も比較的安価なため、予備の収納スペースとしてセカンド冷蔵庫としての人気もあります。

中~大型モデルや霜取りをしたくない方にはファン式がおすすめ

ファン式は、目安140Ⅼ以上のほぼ全ての冷蔵庫に採用されています。
種類も非常に豊富なため、複数人家族で利用するのに最適です。
霜取りが不要なので、メンテナンスの手間をかけたくない方はファン式を選びましょう。

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