「炊飯器の電源が入らない」「炊けたご飯から異臭がする」「使用中に異音がする」など炊飯器の様子がいつもとちがうとき、もしかすると故障が疑われるかもしれません。
本記事では、炊飯器が故障したときの症状をはじめ、寿命や買い替えるべき判断の基準、炊飯器を処分する方法をご紹介します。
そのほか、炊飯器を長持ちさせるポイントもお伝えするので、これから炊飯器の買い替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
炊飯器の寿命はどれくらい?
炊飯器の寿命は、メーカーやモデル、使い方などによって異なりますが、一般的に6年〜10年ほどといわれています。
経済産業省のガイドラインによると、メーカーによる補修用部品の保有期間は6年なので、この部品の保有期間が寿命の目安です。
炊飯器が故障した時の症状とは?
炊飯器の買い替えや修理のタイミングを見極めるために、故障が疑われる症状を確認しておきましょう。
ここでは、炊飯器が故障したときの症状を5つご紹介します。
- 電源が入らない
- ご飯が炊けない
- 炊飯器内部や炊いたごはんから異臭がする
- 炊飯器から異音がする
- 内釜のコーティングがはがれている
電源が入らない
炊飯器の電源が入らないとき、コンセントや炊飯器内部の部品に異常が見られる可能性があります。
コンセントが断線していたり、炊飯器内部の部品が故障していたりすると、通電しておらずそもそも炊飯器自体使えません。
まずは、炊飯器のコンセントがしっかり差し込まれていない場合もあるので、コンセントを差し込み直してみましょう。
なお、プラグ部分が溶けているなどの異常が見られるときは、感電や火災のリスクがあるので差し直すのは厳禁です。
電源タップを使っている場合は、電源タップ自体が故障して炊飯器が使えなくなっている可能性があります。
ご飯が炊けない
ご飯が上手く炊けない原因は、炊飯器が故障している以外にもさまざまなものが考えられます。
最大炊飯量を超えていたり、水の量を間違えたりすると、お米の芯まで加熱されない原因となってしまいます。
また、炊飯メニューを間違える、内釜がセットされていない、35度以上のお湯で炊いている、ご飯を炊いたあとに再度炊飯したなどが原因で、ご飯が上手に炊けないケースも。
これらの原因に当てはまらないときは、炊飯器自体が故障している可能性が高いです。
炊飯器内部や炊いたごはんから異臭がする
炊飯器内部や炊けたご飯から異臭がする場合は、炊き込みご飯を炊いたときに使用した調味料の匂いが残っている可能性があります。
金属でできた内釜であればクエン酸を使用して臭いを消せますが、土鍋釜だとクエン酸は使用できないので注意しましょう。
炊き込みメニューを利用したことがないのに、炊飯器内部や炊いたご飯から変な臭いがするとき、炊飯器自体に問題があるといえます。
炊飯器から異音がする
炊飯器を使用しているとき、今までに聞いたことがない音がしたり、激しい音がしたりする場合は故障の予兆だといえるでしょう。
ただし、保温中のジージーという音はIH特有の仕様であり、炊飯中に聞こえる水が弾ける音は内釜の外側に水滴がついていたことが原因といえます。
水が弾ける音は、炊飯する前に内釜の外側について水滴を拭っておくと防止できます。
内釜のコーティングがはがれている
内釜のコーティングが剥がれてご飯がこびりつき始めたら、炊飯器が故障しているわけではないものの内釜を交換するのがおすすめです。
内釜のコーティングは、体内に入っても吸収されずに排出されるので問題ありません。
しかし、そのまま使い続けると機能性が維持されるとは限らず、炊飯器自体の故障につながる可能性もあります。
炊飯器を修理すべき?買い替えるべき?
炊飯器が故障したとき、故障している原因や故障したタイミングなどによって、修理すべきか買い替えるべきか異なるでしょう。
ここでは、炊飯器を修理すべきケースと買い替えるべきケースを解説します。
修理をおすすめするケース
炊飯器が保証期間内に故障したときは、修理することがおすすめです。
メーカーの保証期間内に修理すれば、純正の部品で対応してもらえる可能性が高いです。
また、保証期間を過ぎていたとしても、買い替えよりも修理したほうが安く抑えられる場合は、修理する選択肢を取るといいでしょう。
買い替えをおすすめするケース
炊飯器を購入してから10年以上経っている場合は、買い替えを検討することをおすすめします。
炊飯器がかなり古い状態で故障すると、メーカーの補修用部品の保有期間が過ぎていて、純正の部品で対応してもらえない可能性が高いです。
修理自体に対応してもらえないケースもあるので、その場合は炊飯器を買い替えるしかありません。
また、修理可能な炊飯器でも、修理したほうが費用がかかってしまう場合は、買い替えを検討するといいでしょう。
炊飯器を処分する方法とは?
炊飯器が故障して買い替える際、壊れた炊飯器をどのように処分すべきかわからないという方がいるのではないでしょうか。
ここでは、炊飯器を処分する方法を7つご紹介します。
- 普通ゴミとして出す
- 粗大ゴミとして出す
- 買い替え時に引き取ってもらう
- リサイクルショップで売る
- フリマアプリで売る
- 不用品回収業者に依頼する
- 知り合いに譲る
普通ゴミとして出す
自治体によっては、炊飯器を普通ゴミとして出せるところがあります。
指定のゴミ袋に入れてゴミ収集所に出すだけなので、処分費用も安く抑えられる点が魅力です。
ただし、自治体によっては普通ゴミとして捨てていいゴミのサイズが決められていたり、パーツごとに分別しなければいけなかったりするケースがあります。
また、炊飯器に搭載された操作パネルに内蔵されているリチウム電池を取り出す必要があるケースも見られるので、事前に自治体に確認しておきましょう。
粗大ゴミとして出す
炊飯器を普通ゴミとして処分できない場合は、粗大ゴミとしての処分を検討しましょう。
粗大ゴミとして処分する際、炊飯器の最大辺の長さを計測し、自治体で定められているサイズに当てはまるのか確認しておきましょう。
粗大ゴミとして処分できるとわかったら、必要に応じて粗大ゴミ回収の申し込みをします。
自治体によって異なりますが、事前に予約したり料金を支払ったりしなければいけないケースがあるので、粗大ゴミの出し方も確認しておきましょう。
粗大ゴミとして処分するときの費用は、自治体によって異なるもののおよそ1,000円以内で回収してもらえる場合が多いです。
買い替え時に引き取ってもらう
炊飯器を買い替えるのであれば、家電量販店で引き取ってもらえるか確認してみるのもいいでしょう。
炊飯器を含む家電のリサイクル回収サービスを実施しているところで買い換えれば、炊飯器の購入と同時に古い炊飯器を手放せます。
家電量販店で回収された炊飯器は、ゴミとして処分されるのではなく、リサイクルされるのでエコにも貢献する手放し方がいいという方におすすめです。
また、家電量販店のなかには、炊飯器を買い替えなくても、故障した炊飯器を有料で引き取ってくれるサービスを実施しているところがあります。
ただし、店舗によっては炊飯器の状態を見てから引き取れるか判断し、場合によっては引き取りに応じてもらえないケースもあるので注意が必要です。
リサイクルショップで売る
使わなくなった炊飯器は、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。
基本的には故障していない炊飯器に限られますが、ジャンク品でも対応してくれる場合があります。
そのため、炊飯器が故障しているからといって、リサイクルショップでの売却を諦めず、1度は相談してみるといいでしょう。
なお、炊飯器は日常的に使用する電化製品がゆえ、高い価格で買い取ってもらえるケースは少ないです。
炊飯器をリサイクルショップで売るときは、電化製品の買い取りに力を入れているところへ行くのをおすすめします。
フリマアプリで売る
リサイクルショップで売れなかった場合、フリマアプリで炊飯器を売ってみてはいかがでしょうか。
フリマアプリは、リサイクルショップと異なり個人間でのやり取りとなるので、売価格を自分で決められます。
ただし、個人間でのやり取りとなるので、値引き交渉が進まなかったり、配送後にクレームが入ったりなど、トラブルに発展する可能性がゼロではありません。
スマホ1台さえあれば出品はできるものの、起こり得るリスクに注意が必要です。
不用品回収業者に依頼する
古くなった炊飯器を今すぐ処分したい方や、炊飯器以外に処分したいものがある方は、不用品回収業者を利用してみてはいかがでしょうか。
これまでご紹介した処分方法と比べると費用が高くなるものの、家電量販店やリサイクルショップなどに行ったり、スマホ上で出品したりする手間が省けるメリットがあります。
業者に依頼する手続きさえ済ませておけば、あとは業者が自宅まで炊飯器を回収しに来るだけです。
炊飯器ひとつだけを回収してもらうと割高になりますが、ほかの家電や家具も回収してもらうと、回収物ひとつあたりの費用を抑えられます。
そのため、不用品回収業者は、引っ越しや大掃除、断捨離などのタイミングで利用するのがおすすめです。
知り合いに譲る
炊飯器がまだ使えるのであれば、知り合いに炊飯器が欲しいという方がいないか探してみるのもいいでしょう。
処分して廃棄してしまうよりも、知っている方が炊飯器を使ってくれたほうが、エコにもつながるだけではなく、罪悪感もなく手放せるでしょう。
炊飯器を長持ちさせるポイントとは?
炊飯器を買い替える方は、少しでも長期間使えるように、長持ちさせるポイントを把握しておきましょう。
ここでは、炊飯器を長持ちさせるポイントを6つご紹介します。
- 内釜を雑に扱わない
- 吸気孔や排気孔の埃を取り除く
- 蒸気の逃げ道を作る
- 内蓋を使うたびに洗う
- 温度センサーを拭く
- 洗浄コース付きの炊飯器を購入する
内釜を雑に扱わない
炊飯器の内釜はコーティングされているものの、傷つきやすいので丁寧に扱うことが大切です。
お米を研ぐときは内釜のなかで研がずに、別のボウルなどでお米を研いでから内釜で炊くといいでしょう。
また、内釜に汚れがついたときは、スポンジの柔らかい部分で優しく洗うのがポイントです。
汚れを放置したりスポンジの硬い面で洗ったりすると、コーティングが剥がれやすくなり、炊きムラの原因になる可能性があります。
吸気孔や排気孔の埃を取り除く
炊飯器には、吸気孔や排気孔といった内部の熱を逃すためのものがあります。
吸気孔や排気孔に埃が入った状態で放置すると、内部の熱が逃げずにこもってしまい、故障の原因となるおそれがあるでしょう。
メーカーによって吸気孔や排気孔のある場所は異なりますが、炊飯器本体の底の部分にある場合がほとんどです。
蒸気の逃げ道を作る
炊飯器の蓋の部分からは、炊飯中に蒸気が出ます。
蒸気が出る部分にふきんなどを置いておくと、蒸気の逃げ道が塞がれてしまい、炊飯器の故障につながるおそれがあります。
また、炊飯器とコンセントの位置に注意し、プラグに蒸気が当たらないようにしましょう。
プラグに蒸気が当たる位置で何度も炊飯すると、ショートや発火の原因になり危険です。
内蓋を使うたびに洗う
炊飯器の内蓋は、お米を直接入れる内釜と同じく汚れやすい部分です。
内蓋は取り外せるものがほとんどなので、炊飯器を使用するたびに台所用の合成洗剤で洗いましょう。
食器洗い乾燥機用の洗剤は成分が強く、炊飯器の内蓋を洗うときに使用すると、変色や塗装剥がれの原因となります。
温度センサーを拭く
炊飯器内部には温度センサーが搭載されていますが、内蓋をお手入れする際に、温度センサーも拭いておきましょう。
温度センサーの汚れを放置すると、正しく動作しなくなるおそれがあります。
温度センサーは内蓋を外した底の中央部分についており、水をよく絞った布や綿棒などで軽く水拭きすると汚れが取れます。
洗浄コース付きの炊飯器を購入する
炊飯器を長持ちさせたいものの、定期的に手入れするのが苦手な場合は、洗浄コース付きの炊飯器がおすすめです。
洗浄コースの使い方はメーカーやモデルによって異なりますが、とても簡単です。
規定量の水を内釜に入れて、洗浄コースを選択して炊飯ボタンを押すだけで、炊飯器内の洗浄が完了します。