「洗ったあとの洗濯物の臭いが気になる」「洗濯機に黒い海藻のような汚れがついている」洗濯をしていて、このような経験はありませんか?
洗濯物や洗濯槽についている汚れは、黒いカビです。
そのまま放っておくと、黒カビはどんどん繁殖し1度のお掃除では取り切れなくなってしまうため、こまめに対策しなくてはなりません。
本記事では洗濯機に黒カビが発生する原因や対策、発生させないためのコツなどについて解説します。
洗濯機についている海藻のような汚れは黒カビが原因
洗濯物や洗濯槽についている海藻のような黒い汚れ。
これは洗濯槽の中に繁殖している黒いカビが原因によりついてしまったものです。
見た目はきれいに見えても、実は洗濯槽の中には黒カビなどの汚れが蓄積しています。
洗濯機に黒カビが発生する原因
まずは、洗濯槽に黒カビが発生してしまう原因について解説します。
洗濯機内に黒カビが発生する理由を知ることで、対処方法も見えてきます。
原因はいくつか考えられますが、気温や湿度、洗濯機の特性によるものが多いです。
黒カビが繁殖しやすい温度
1年のうちでもっとも黒カビが発生しやすい時期は、梅雨から夏にかけてです。
その理由は、洗濯機を取り巻く温度が大きく関係しています。
洗濯機を置いている場所の温度が20~30℃になると、カビが繁殖しやすくなるため注意が必要です。
また、環境によっては梅雨時期に限らず、1年のほとんどがカビが繁殖しやすい温度となっていることもあるため、季節関係なくこまめなメンテナンスが必要です。
洗濯槽内が多湿である
黒カビが繁殖しやすい状況は温度だけではありません。
温度と合わせて多湿であることも、繁殖を促す原因のひとつです。
二重構造になっている洗濯機は風通しがよくないため、どうしても湿気が溜まりやすくなってしまいます。
高温多湿の洗濯機内に栄養分となる汚れが溜まってしまい、カビが育ちやすい環境が作られてしまうのです。
洗剤の入れすぎなどによる汚れの蓄積
洗濯槽の中に溜まっている汚れやホコリなども、黒カビを繁殖させる原因です。
汚れには洗剤の残りカスや水垢、皮脂汚れなども含まれます。
洗剤を入れすぎてしまうと、溶けきれなかったものが洗濯槽の中に蓄積されてしまいます。
また、洗濯物についたままの食べこぼしなども洗濯機の中に汚れとして溜まってしまうため、洗濯の仕方にも気をつけなければなりません。
洗濯機に黒カビが発生したときの対処法
黒カビを見つけてしまったり、臭いが気になってきたりと洗濯の際に気になる点を見つけたらすぐに洗濯槽のお掃除をしましょう。
この章では、洗濯機の黒カビに悩まされている際の対処方法を3つ紹介します。
- 洗濯槽クリーナーを使用する
- 酸素系クリーナー
- 洗濯機の買い替えを検討する
定期的にお掃除をしていても、黒カビが取り切れないと悩んでいる人もぜひ参考にしてみてください。
洗濯槽のお掃除の際に使用するクリーナーに気を配るだけでも、効果が変わってくる可能性があります。
洗濯槽クリーナーを使用する
黒カビが発生してしまったら、まずは洗濯槽クリーナーを使ってみましょう。
洗濯槽クリーナーとは、洗濯機の中に溜まっている汚れを落とすための専用洗剤です。
大きくは以下の3種類があり、その種類によって含まれている成分や汚れに対する効果が変わります。
- 塩素系クリーナー
- 洗濯機のクリーニングを依頼する
- メーカー純正の洗濯槽クリーナー
まずはそれぞれの洗濯槽クリーナーの特徴を知り「自宅の洗濯機に使用できるのか?」「落としたい汚れに適しているのか?」を確認しましょう。
塩素系クリーナー
洗濯槽のお掃除を1年以上していない人、手軽にお掃除をしたい人におすすめなのが、塩素系のクリーナーです。
次亜塩素酸ナトリウムを主成分としている塩素系クリーナーは、殺菌力がとても強くカビを分解して溶かす効果が期待できます。
つけおきする時間が要らないため、クリーナーを入れて洗濯槽洗浄コースで運転するだけで完了する手軽さが魅力です。
塩素特有の刺激臭があるため、換気しながら行いましょう。
また、クリーナーが衣服につくと色落ちなどのダメージがあることや、酸性タイプのクリーナーなどと混ざると危険なガスが発生することがあるため使用方法には注意が必要です。
基本的にはドラム式と縦型のどちらのタイプでも使用できます。
酸素系クリーナー
塩素特有の臭いが気になってしまう人、衣服へのダメージがどうしても気になってしまう人は酸素系クリーナーがおすすめです。
主成分が過炭酸ナトリウムである酸素系クリーナーは、泡の力で汚れを剥がして落とす特徴があります。
皮脂や水垢の汚れを落とすのを得意とします。
なお、数時間つけおきする時間が必要である点と、水に浮いてくる汚れをすくって捨てる手間がある点がデメリットです。
ドラム式のタイプでは使用できない場合もあるため、確認してから使用しましょう。
メーカー純正の洗濯槽クリーナー
ドラックストアなどで市販されているものでは効果を感じられなかったり、自宅の洗濯機に使用できるのか不安を抱いたりする場合には、メーカー純正の洗濯槽クリーナーを使用するのもおすすめです。
メーカー純正のものでも、ドラム式対応と縦型式対応のものがあるため、確認してから使用しましょう。
メーカー純正のクリーナーは各メーカーの公式サイトやオンラインショップで購入可能です。
市販のクリーナーよりも成分が高濃度のものが多いため、取りきれない洗濯槽の汚れに対しても効果が期待できます。
洗濯機のクリーニングを依頼する
何度かクリーナーでお掃除しても、黒カビを取り切れない場合にはプロに依頼しましょう。
クリーニングを依頼すると、洗濯機を分解して洗浄してくれるため裏側まできれいにできます。
洗濯機の分解は知識と技術が必要なため、プロに依頼したほうが安心です。
クリーニングと一緒に、自宅でできるメンテナンス方法も教えてもらえます。
なお、依頼する業者を選ぶ際には複数から見積もりを取るのがおすすめです。
洗濯機の買い替えを検討する
洗濯機の種類や使用頻度でも変わりますが、洗濯機の寿命は6〜8年と言われています。
洗濯槽クリーナーで何度かお掃除しても臭いが残っていて、寿命を超えているようであれば洗濯機の買い替えを検討するのもおすすめです。
近年では洗濯槽の汚れを剥がれやすくなるなど、できる限り綺麗な状態を保てるような機能が搭載されている洗濯機も登場しています。
寿命の目安を超えてしまうと故障しやすくもなるため、買い替えの機会だと捉えてみるのもいいでしょう。
洗濯機の黒カビを予防するコツ
黒カビを繁殖させないためには、定期的なお掃除と可能な限りの予防策を取り入れることが大切です。
次に紹介するカビを予防するコツを取り入れて、繁殖をできる限り抑えましょう。
日頃から予防策を取り入れることで、定期的なお掃除も楽にできるようになります。
洗濯物を洗濯槽に溜め込まない
洗濯槽を洗濯カゴのように使用するのは避けましょう。
先述しているように、黒カビが繁殖する原因は皮脂汚れや衣類についた食べこぼし、湿気です。
汗や汚れがついた衣類を洗濯槽に入れたままにすると、汚れが溜まりやすい環境を作り出してしまいます。
洗濯が終わった状態の衣類を、そのまま入れた状態にすると湿気がこもってしまうため、できる限り早めに取り出しましょう。
洗濯前の衣類は洗濯カゴに入れることや洗濯が終わった衣類はすぐに取り出すことが、湿気や汚れを溜め込まないポイントです。
洗剤と柔軟剤は正しい量で使用する
洗濯の際に使用する洗剤と柔軟剤などは、各メーカーが推奨している量を守りましょう。
洗剤を多く入れても、汚れがより落ちるわけではありません。
むしろ入れる量が多いと溶け残りが蓄積されてしまい、黒カビを繁殖させる原因となってしまいます。
また、汚れに対して洗剤の量が少なすぎると、酸性石鹸と呼ばれる粘り気のあるカスが溜まりやすくなります。
多すぎても少なすぎても汚れが蓄積する原因になるため、正しい量で使用するのがポイントです。
洗濯槽に汚れを溜め込まない
定期的に洗濯槽クリーナーを使用したお掃除も大切ですが、ホコリをこまめに取ることも大切です。
ホコリにはカビの胞子が含まれているため、定期的に取り除く必要があります。
洗濯槽だけではなく、洗濯機本体の周りや排水溝などにもホコリを溜め込まないようにしましょう。
洗濯槽にある糸くずフィルターもこまめに掃除する必要があります。
洗濯が終わるごとにフィルターの汚れを取ることが理想ですが、少なくとも週に1度はメンテナンスしましょう。
使っていない時の洗濯機の蓋は開けておく
洗濯機の中には湿気をこもらせないようにすることが大切です。
湿度が55%を下回ると、カビの繁殖を抑えられるようになります。
洗濯が終わったら衣類をすぐに取り出し、洗濯機の蓋は開けておく習慣をつけましょう。
なお、ドラム式のタイプを使用している場合には、開けたままの洗濯機の中に子どもやペットが誤って入ってしまわないように十分注意が必要です。
お風呂の残り湯はできるだけ使わない
節約のためにも、お風呂の残り湯を洗濯に使用している家庭も少なくないでしょう。
しかし、洗濯槽に汚れを蓄積させないためには、できるだけお風呂の残り湯を使用しないことがおすすめです。
お風呂の残り湯には皮脂や雑菌などが多く含まれているため、洗濯機の中に汚れが蓄積される原因となってしまいます。
もし残り湯を使用するのであれば「洗い」の時のみに使用し、お湯に浮いている目に見える汚れなどは取り除くようにしましょう。
そして、こまめに洗濯槽のお掃除が必要です。